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クラフトビール醸造所の廃業・倒産状況レポート(2025年最新)

調査分析

クラフトビール醸造所(マイクロブルワリー)の廃業状況について、2024年から2025年にかけての最新データと、その背景にある「廃業の理由」に踏み込んだ調査レポートをまとめました。

クラフトビール醸造所の廃業・倒産状況レポート(2025年最新)

1. 廃業数の推移と最新データ

日本のクラフトビール業界は、2010年代後半からの第2次ブームを経て、2025年現在、**「淘汰のフェーズ」**に入っています。

累計軒数と純増減:

2024年末時点での累計開業数は約1,154軒に対し、累計閉店(廃業)数は247軒に達しています。

直近の動向:

2024年から2025年にかけて、新設される醸造所の数は依然として多いものの、廃業・休止する醸造所が年間30〜50軒ペースで推移しており、純増ペースは鈍化しています。

地域的特徴:

醸造所が密集する「東京」「神奈川」「大阪」での廃業が目立つ一方、地方では「地域おこし」の一環で新設されたものの、数年で経営難に陥るケースが増えています。

2. 廃業の主な理由(深掘り分析)

ニュース、倒産データ、業界のヒアリング情報から抽出した、現代特有の廃業理由は以下の4点に集約されます。

① 原材料費・エネルギー価格のダブルパンチ

ホップ・麦芽の高騰:
クラフトビールに不可欠な輸入ホップや麦芽が、円安とウクライナ情勢の影響で高騰。

光熱費負担:
醸造には大量の熱と冷却用電力を要するため、電気・ガス代の上昇が小規模事業者の利益を直接圧迫しています。

② 「IPAブーム」の飽和と消費者志向の変化
高価格帯への忌避:

1杯1,000円を超えるビールに対し、生活防衛意識が高まった消費者が「日常使い」から離脱。

ラガー回帰:

ホップの強いIPA(インディア・ペールエール)一辺倒から、より飲みやすく安価なラガーや、大手メーカーが手掛ける「プレミアムビール」へ需要が戻る動きがあります。

③ 過剰投資と「ゼロゼロ融資」の返済開始

債務負担:
コロナ禍を凌ぐために借り入れた「実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資」の返済が本格化。収益が回復しきらない中での返済開始が致命傷となるケースが2024年〜2025年に急増しています。

④ 技術不足・衛生管理問題によるブランド毀損

参入障壁の低さの代償:
異業種からの参入が相次いだ結果、醸造技術が未熟なまま出荷し、品質のバラつきやオフフレーバー(異臭)によってリピーターを失う醸造所が散見されます。

3. 特徴的な最近の廃業・撤退

事例(傾向)特定の社名は伏せますが、最近の廃業ニュースには以下のパターンが見られます。
パターン詳細観光拠点型コロナ後の人流回復を期待したが、インバウンド需要が特定地域に偏り、地方の観光地醸造所が閉鎖。
異業種撤退型飲食店や不動産会社がサイドビジネスとして始めたが、本業の悪化や採算の不透明さから早期撤退。

小規模閉鎖型1バッチ(1回の醸造量)が極めて小さい「ナノブルワリー」が、労働集約的なモデルに限界を感じ廃業。

まとめと今後の展望

2025年は、単に「珍しいビール」というだけでは生き残れない時代です。
生き残っている醸造所は、「地域コミュニティとの強固な結びつき」や「缶製品の流通による販路拡大」、あるいは**「圧倒的な品質によるブランド力」**のいずれかを有しています。

今後、さらに大手メーカーによるクラフトビール市場への攻勢(タップ・マルシェ等)が強まるため、小規模醸造所の廃業は2025年後半にかけても高水準で推移すると予測されます。

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