居抜売却とM&Aの違い
「店舗や工場を誰かに譲る」という点では似ていますが、**「何を売るのか(箱か、中身か)」**という点が決定的に違います。
一言でいうと、居抜き売却は**「店舗の設備や内装(モノ)」の売買であり、M&Aは「商売そのもの(ヒト・ノウハウ・権利)」**の売買です。
ヒト(従業員)がいれば、十分にM&Aと言えると思います。
それぞれの違いをわかりやすく比較表にまとめました。
居抜き売却とM&Aの比較表
| 比較項目 | 居抜き売却 | M&A |
| 売却の対象 | 「ハコ」がメイン内装、厨房設備、什器など (レシピ、仕入先なども含む場合がある) |
屋号、従業員、顧客、レシピ、経営権など (法人すべて、あるいは、事業のみ) |
| 契約形態 | 造作譲渡 | 事業譲渡・株式譲渡 |
| 主な目的 | 体力(病気等)、リタイヤ、閉店コストの削減、造作の現金化 | 体力(病気等)、リタイヤ、創業利益の獲得、事業の継続、雇用維持 |
| 従業員の雇用 | 従業員がいないのが前提 | 原則として継続(そのまま引き継ぐ) |
| 売却価格 | 立地、設備の状態による(無価値〜千万円程度)
※立地や設備は業態によって価値観が全く違います。複数の候補者と同時に交渉を行なうのが売却価格を大きくするコツ。 |
算出方法は複数ある(黒字ばかりとは限らない)
※一般的には交渉相手を絞り、交渉権を持った対象者のみと交渉をしていく。 |
| 手続きの難易度 | 比較的シンプル
※不動産契約の前に造作譲渡契約を締結するのが一般的。 |
複雑(専門の仲介会社や専門家が必要)
※法人譲渡の場合、税務面、労務面、財務、法務面からその「価値」と「リスク」を調査評価する必要があります。買収者が主体となって行なう必要があります。仲介会社だけですべてを網羅できないのが通常。 |
| 手数料 | 造作譲渡料として居抜売却額の10~30%が多い。(最低手数料を設定している場合がある) | 高額になりやすい。 |
| 借入金・負債 | 売り手が清算する。 ※リース品やレンタル品などの取り扱いに注意。 |
法人の場合は、原則、借入等の負債も引き継ぐ。事業譲渡の場合は、切り離すことが可能。 |
| 誰に頼むべきか? | 不動産仲介会社 (店舗不動産特有の知識経験が必要となるため、店舗専門不動産会社はベスト) ※居抜をM&A仲介会社に頼む例がありますが最低手数料が高額になることからお勧めできない。 |
M&Aアドバイザー、仲介会社
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| 募集媒体 | アットホーム・飲食店ドットコムなど | バトンズ・トランビなど |
1. 居抜き売却とは
「店舗をスケルトン(更地)に戻さず、内装や設備を付けたまま次のテナントに譲る」方法です。
メリット:
賃貸借契約には、原状回復義務があり、本来は原状回復(解体工事)を行なって物件を返す必要があります。
原状回復費用(解体工事費)がかからず、逆に設備を売ったお金(造作譲渡料)が手元に残ります。(貸主の了承が必須)
買い手にとっては、開業資金をおさえた出店が可能となる場合がある。
デメリット:
買い手は「場所と設備」を借りるだけなので、これまでの常連客やブランド、スタッフは引き継がれません。
2. M&A(事業・株式譲渡)とは
「お店の看板、メニュー、スタッフ、取引先、賃貸契約などをそのまま新しいオーナーに引き継ぐ」方法です。
メリット:
お店のブランド価値や将来の収益力(のれん代)が評価されるため、居抜きよりも売却価格が高くなる傾向があります。
また、スタッフの雇用を守れる点も大きな利点です。
デメリット:
財務状況の精査(デューデリジェンス)など、手続きに時間と専門知識が必要です。
一般的に手数料が高額になりますので、単なる居抜の売却でM&Aを使うのは全くのナンセンスです。
どちらを選ぶべき?
「赤字で早めに店を閉めたい、設備代だけでも回収したい、引き継げる人材はいない」→ 居抜き売却が適しています。
「黒字経営だが後継者がいない、大切なお店とスタッフを残したい」→ M&Aを検討すべきです。
ご自身の状況に合わせて、まずは信頼できる専門家(店舗専門の不動産屋やM&A仲介会社)に相談してみるのが第一歩です。
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